通信の大学で「生物学概論」の単位を取ろうとしており、レポートを提出する必要があるのですが、その準備段階として、生物への興味を高めるために『美しい生物学講義』(更科功/ダイヤモンド社)を読みました。
予備校の授業の中で常々言っているのですが、興味は自分で作ることができます。やり方は簡単で、どんな分野でも良いので、その対象に愛情をもち、楽しそうに語っている人の本を読む(or動画を見るor講演を聞くetc)というだけです。大体どんな分野にも「面白いところ」はありますから、それを心から面白いと思っている人の語りに触れれば、こちらも「面白そう!」という気持ちになってしまいます。
今回、僕が特に心惹かれたのは、細胞膜について説明している第3章です。生物としては、化学反応が起きやすい水中にいたい。でも、水中に仕切りを作るには水に溶けないもので作るしかない。そういった切実な状況から【リン脂質二重層から成る細胞膜】が生まれたことがわかりやすく説明されており、
「細胞膜すげぇ!」
…という気になります。これは、大学生時代に『ゾウの時間ネズミの時間』(本川達雄/中公新書)を読んだときの感覚によく似ていました。
この本は「暗記科目でしょ」としか思っていなかった僕の「生物観」を大きく変えてくれました。15年程前に読んだので細かい内容は忘れてしまいましたが、
「サンゴすげぇ!」
「昆虫すげぇ!」
…と思ったこと、物事には何でも理由があるんだなとしみじみ感じたことはよく覚えています。高校生のときに読んでいれば、生物の授業への向き合い方も少しは変わっていたかもしれません。『美しい生物学講義』と合わせて『ゾウの時間ネズミの時間』もおススメです。一読すればあなたも必ず、
「生物すげぇ!」
…と思うことでしょう。