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正月遊び(1/7)

 宮城教育大学で下の文章が出題されたことがあります(2015年)。正月やお盆などの「お休み」について説明している箇所です。

 学校生徒の日常は、目標・効率・規則で(すき)もなく整えられた無駄のない時間から構成されている。それに比して、これらの日々は、何をするともない何の役にも立たない、「徹底した無駄」という時間から成り立っているではないか。かつて、伝統的社会を生きた人々の知恵が、「ケの日」と異なる「ハレの日」の設定において暮らしのリズムを活性化したとすれば、その知恵は今日の子どもたちの中にも受け継がれている。そして、「学校」と「電子情報」に囲い込まれている子どもたちにとって、それら「ハレの日」の「常ならぬ出来事」は、隙もなく効率化され画一化された子どもの世界に、瞬時の綻びの導入される貴重な機会にほかならないだろう。

本田和子「子どもの世界」

 子どもの頃、元日の朝にドアを開けると、そこには清新な雰囲気が漂っていました。日付が1日変わっただけのはずなのに、世界は確かに新年になっているのです。4~5年程前、年末年始も仕事があり、妻は子どもを連れて帰省していたため、大晦日も普段と何ら変わらぬ生活をしたことがあります。授業準備をして、特にテレビを見るわけでもなく23時には寝てしまいました。そうすると、翌朝ドアを開けても世界が新年に変わっていないのです。新年になるから正月行事をするのではなく、行事をするからこそ新年になるのだなと感じました。正月休みは、単調に進む時間にメリハリをつけ、生活のマンネリ化を防ぐ知恵なのでしょう。

 
 1/7のお昼頃、高幡不動尊に初詣に行きました。おみくじを買い、両親が大吉、長女と3女が吉、次女が凶という、何とも次女にかわいそうな結果でしたが、こればっかりは仕方ありません(笑)。「願望 かなはず」「病人 治らず」「待人 来ず」「失物 見つからず」…という救いようのないメッセージを、次女がまだ読めなかったことが不幸中の幸いです。
 その次女が射的やチョコバナナを懇願してきましたが、びっくりするほど高いので「家で作ってあげるから」と説得し、材料を買って帰りました。写真(上)は射的です。輪ゴム鉄砲でおもちゃを狙うだけですが、大人でも意外と楽しいですよね。
 写真(中)はけん玉。これも簡単に作れる割には意外と盛り上がります。チョコバナナ作りは、父(西原)が湯煎に失敗。近くのスーパーでガーナチョコを買い、もう1度チャレンジするのも、またしても湯煎に失敗。僕は昔から「ブランコこぎ」と「湯煎」が上手くできません。みんなできるのに、なぜか上手くいかないんです…。固くなったチョコをバナナに乗せただけの不格好なものになりましたが、子どもは美味しいと言っていたので良しとしましょう。
 写真(下)は七草がゆ作りです。スーパーに「七草セット」が売っていました。便利ですね。パックに七草の絵と名前が書いてあったので、それを見せて7種類に分けてもらっているところです。土鍋で炊いたら美味しくできました。

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しぶんき座流星群

 1月4日(火)。午前3:30に起床し「しぶんき座流星群」を見に行きました。流星群に興味をもったのは3年程前。当時5歳の長女が「リルリルフェアリル」という星の妖精(?)の本にハマっていたので「本物の流れ星を見に行こう」ということになり、父娘で山梨県の清里に1泊したのです。9歳になった長女が今でもその時のことをよく話すので、今回は長女と次女を連れて出かけました(仕事の関係で遠出&宿泊ができなかったので都内の公園です)。
 センター試験で次のような文章が出題されたことがあります(2002年)。

ことばで語りだす世界の中身そのものが、この生身でいきる世界を離れては、根を失う。雪を肌に受けて震える身体、その下で冷たい冬を過ごす身体をぬきには、[yuki]はただの音声にすぎないし、「雪」の文字は意味不明の模様にすぎない。あるいは風の音を聞き、それが頬に触れる感触をもつ身体を離れては、[kaze]はただの無意味な音声以外のものではなく、「かぜ」はただの無意味な綴りでしかない。ことばはすべて、どこかで身体の世界に根ざしている。

浜田寿美男「『私』とは何か」

 
 言葉は身体と結びついていますから、体験の豊かさと文章読解力には密接な関連があると思います。
 都内の公園で周囲が明るかったせいか、今回は流れ星をほとんど見つけられませんでした(僕と長女は2つ、次女はゼロ)。「寒くて足が痛い」と繰り返していた次女は、40分眠気に耐えて頑張ったのに見つけられず残念そうでしたが、それでも行けて良かったと思っています。見えなかったという経験が見えたときの喜びを大きくしてくれますし、「寒くて足が痛い」というのも彼女にとっての大事な体験の1つです。