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予備校講師×子育て

書初め(1/9)

 HPを始めて4本目の投稿ですが、また子育て関連です。思っていたよりも早く単なる子育て日記となっています…。

 子供の頃、習字の練習は半紙という紙の上で行った。黒い墨で白い半紙の上に未成熟な文字を果てしなく発露し続ける、その反復が文字を書くトレーニングであった。取り返しのつかないつたない結末を紙の上に(あらわ)し続ける()(しゃく)の念が上達のエネルギーとなる。練習用の半紙といえども、白い紙である。そこに自分のつたない行為の痕跡を残し続けていく。紙がもったいないというよりも、白い紙に消し去れない過失を累積していく様を()()し続けることが、おのずと推敲という美意識を加速させるのである。

原研哉『白』

 上の文章は2009年に東京大学で出題されたものです。
 1月9日、家族で僕の実家を訪れました。長女の小学校で書初めの宿題が出ているのですが、実家の屋根裏部屋に僕が30年程前使っていた書道セットがあったので、それを使って僕・妻・父(祖父)も同じ課題にチャレンジしました。墨汁も30年前のものながら難なく書けます(後でネットで調べたところ、未開封でも数年以内に使い切るべきとのこと…)。
 やはり、真っ白な半紙を前にすると「丁寧に書かなくては」という意識になりますね。背筋が伸びる感覚がありました。