HPを始めて4本目の投稿ですが、また子育て関連です。思っていたよりも早く単なる子育て日記となっています…。
子供の頃、習字の練習は半紙という紙の上で行った。黒い墨で白い半紙の上に未成熟な文字を果てしなく発露し続ける、その反復が文字を書くトレーニングであった。取り返しのつかないつたない結末を紙の上に顕し続ける呵責の念が上達のエネルギーとなる。練習用の半紙といえども、白い紙である。そこに自分のつたない行為の痕跡を残し続けていく。紙がもったいないというよりも、白い紙に消し去れない過失を累積していく様を把握し続けることが、おのずと推敲という美意識を加速させるのである。
原研哉『白』
上の文章は2009年に東京大学で出題されたものです。
1月9日、家族で僕の実家を訪れました。長女の小学校で書初めの宿題が出ているのですが、実家の屋根裏部屋に僕が30年程前使っていた書道セットがあったので、それを使って僕・妻・父(祖父)も同じ課題にチャレンジしました。墨汁も30年前のものながら難なく書けます(後でネットで調べたところ、未開封でも数年以内に使い切るべきとのこと…)。
やはり、真っ白な半紙を前にすると「丁寧に書かなくては」という意識になりますね。背筋が伸びる感覚がありました。